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MUFGとリクルートの合弁

Image Via Jakarta Globe

2020年 02月 11日 08:35

2019年12月5日

12月4日付け日本経済新聞の報道によれば、MUFGはデジタル通貨を巡りリクルートと共同出資会社を2020年に設立する。直ちに発出されたMUFGのプレスリリースでは両社が新会社設立の合弁契約書を締結した事実以外決定事項はないとしているが、報道によれば、これまでMUFGが開発してきたデジタル通貨の運営を新会社(出資比率はリクルート51%、MUFG49%)に移し、当初はリクルートが展開する各種サービスでのデジタル通貨の利用を見込むとしている。更に、新会社は銀行法から離れ資金決済法業者として登録し既存のデジタル通貨同様の利便性を確保し、個人間の送金も可能とするだけでなく銀行口座での法定通貨へ戻しも可能にするとしている。本件を後発とする向きも一部の報道で見られるが、大変な勘違いで、投機性のない取引で銀行決済なしに個人間決済が完了する点では最先端である。

これまでビットコインなどの“仮想通貨”は実験段階から交換所での取引と保有という第2段階へと進んできたものの、価格変動の投機性やハッキングにより本来の目的であるディスインターミディエーションつまりP to P決済での利用は極めて限定的である。MUFGのこの取り組みやSBI/R3の貿易決済のブロックチェイン化などでデジタル通貨も広く社会に受け入れられる第3段階に進みつつあるようである。我が国ではスイカなどの電子マネーや各社が発行するポイントの普及は著しいが、現状のデジタルマネーの最終的な決済はクレジットカードであるか銀行口座決済であることからディスインターミディエーションは進んでいない。米国などでは価格が安定化でき投機性を削減できるステーブルコインの議論が進んでいる。また、現在FSBのRSCでは金融庁の氷見野国際審議官を議長とし国際的な規制案の検討が開始されたところである。今回の事案で発行される“通貨”が法制上の扱いを含めどこを狙っているのか注目される。

一方で、銀行は三菱UFJ銀行とSMBCのATMの共同化に見られるよう、現金管理からの脱却が我が国の金融システムのコスト構造を軽量化するための重要施策である。消費増税に伴うポイント還元策に見られるような最近の政府の電子化振興策も同じ方向である。こうした電子化によるディスインターミディエーションは銀行にとっては両刃の劔でコスト削減には必要であるが銀行業自体の衰退につながる懸念がある。今回のMUFGの動きは、API接続を求められている銀行としては電子化で失う可能性が高いバリューチェインや顧客との接点をどのように維持拡大するかの分水嶺にあり、ここでの布石が今後の生き残りに大きく効いてくるものと考えられる。

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